書籍ライターで生きていくには「コミュニケーション力」が絶対必要(1)

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書籍ライターに求められる能力は文章力ではない?』で書籍ライターは文章力が備わっているのが前提という話をしました。ライターは文章を書く専門家なので、必要な能力として文章力を挙げること自体、そもそもおかしいのではと個人的に思います。

ですが、文章力があればそれだけで書籍ライターとして長くやっていけるのかといえば、必ずしもそうではないと思っています。

では書籍ライターに何が必要かといえば、広義の「コミュニケーション力」です。

矛盾するようではありますが、仮に文章を書く力は発展途上にあったとしても、編集者や著者といったクライアントと気持ちよくコミュニケーションがとれるライターは重宝される可能性が高いです。

その上で書く力を磨く努力を続けていれば、「このライターを育てよう」と編集者に思ってもらえるのではと考えます。

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書籍づくりをとどこおりなく進めるためには、著者、編集者、ライターが心を合わせ、ビジョンを共有しなければなりません。そのためには三者がそれぞれ信頼し合い、お互い尊重し合いながら制作を進めていく必要があります。

「読者に感動を与える本をつくろう!」

そうやって三者が強い思いを共有してつくり上げた本にはエネルギーが宿り、その熱は読者に伝わるものだと信じています。

反対に、三者の信頼関係が崩れると、何らかのトラブルに発展する可能性が高くなります。書籍の方向性で意見が食い違ったり、文章の内容やテイストに著者が強く難色を示したり、最悪のケースでは出版を取りやめる騒動に発展するリスクもゼロではありません。

だから編集者は著者との関係づくりに心を砕きますし、ライターにも同じような心構えで臨んでほしいと期待しています。

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編集者とライターの関係も同様です。

編集者とライターの相性で書籍の質は左右されます。編集者は飴とムチを使いわけながら(笑)、執筆に懊悩呻吟するライターを叱咤激励し、ライターはその編集者の言葉に支えられながら10万字という長い道のりを走り切ろうと歯を食いしばります。

編集者とライターが良い関係を築いていなければ、そうした二人三脚のやりとりは難しくなります。

つまり編集者は「著者との関係づくり」「自分との関係づくり」という2つの側面で、ライターに広い意味でのコミュニケーション力を求めているのです。

次回(『書籍ライターで生きていくには「コミュニケーション力」が絶対必要(2)』)は、コミュニケーション力の具体的な中身について考えてみます。

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