前回の記事はこちら→『【活動記⑨】将来的に地元にUターンすることを見越して神戸の会社に就職』
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広告制作プロダクションを退職して神戸の会社の面接を受けたとき、社長さんに自分のライフプランを話しました。
「将来は田舎に帰り、フリーランスのライターとしてやっていきます」
そうやって入社面接で堂々と打ち明ける応募者もどうかと思うけれど、それを聞いた社長さんはぼくの発言を否定するのではなく認めてくださいました。
そのうえで、
「何でそこまで田舎にこだわるんや?」
と30分ほど質問攻めにあいました。
高校時代にアメリカのSOHOスタイルの働き方を知ってそれを目指そうと決めたこと、将来は田舎に帰って仕事をするためにライターになったこと……などなど、このブログのカテゴリ(田舎ライター活動記)で書いてきたようなことをつらつら説明したのですが、
「でも男やったら田舎に引っこまず、仕事で大成したいと思わへんのか」
「田舎にこだわらんでも君のしたい仕事はいくらでもできるんとちがうんか」
となかば詰問状態に(笑)
たじたじになりながらも返答していくなか、
(たしかによく考えるとそこまで田舎にこだわる必要もないか……)
とは、思いませんでした。
まあ、最終的には、生み育ててくれた両親の近くに住み働きたいということなのかもしれませんが、「自分なりのビジョンを持とう」という、自分自身もよくわかっていない深層心理の選択にしたがって信念が形成されてきたのかもしれません。
自分で自覚できている「意識」なんてたかだか5%、残りの95%は「無意識」に支配されているといいます。95%は深海のように奥深い潜在意識の領域なので、本人ですらその真意が推し量れないこともたくさんあるのでしょう。でも結果として、自分が望む人生を忠実に生きているということになるのですが。
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ともあれ、入社面接で「将来はフリーになる」、つまり「いずれ会社を辞めます」と宣言しているような人間を採用していただいてほんとうに感謝しています。
その神戸の会社で2年弱働いて多くの経験を積ませていただいたのち、2008年、30歳のときにフリーランスとして独立して現在に至っています。