田舎暮らしの公共交通機関事情、都市部(大阪市)へ出るテクニック

Pocket

現所在地で実家の兵庫県加東市に生活拠点を移す前に住んでいたのは尼崎市武庫之荘というところで、最寄駅の阪急・武庫之荘駅から梅田駅まで約15分でした。武庫之荘駅まで自転車で5分ほどだったので、大阪にはざっと30分あれば行けました。

それが――。

いま住んでいる加東市は田舎に加えて電車が思いっきり不便な場所。JRのみを使って大阪に行こうと思うと小旅行気分で仕事どころではなくなってしまいます。でも仕事で大阪市内にはしょっちゅう行くわけで、引っ越しする際のいちばんの心配事は交通面でした。

でも加東市に帰ってきて2年半。結論をいえば問題なし。帰省前と同じように週に数回は大阪市内に取材、あるいは全国に出張に出ていますが、心配していたのがアホらしくなるほど普通にやっています。

***

解決策は「電車+車」にありました。

加東市からJRのみで大阪まで行こうと思うとJR加古川線というのに乗って加古川駅に出て、そこからJR神戸線の新快速に乗り換えて大阪駅まで行くことになります。

最寄駅から大阪駅までは乗り継ぎがうまくいって乗車時間1時間半。家から駅までは自転車で10分なのでまあ余裕を見て2時間弱かかることになります。

加えて加古川線は1時間に1本程度のローカル線なので、行きは時間をあわせて家を出ることはできても帰りはそんなうまいこといきません。下手すれば1時間待ちもあるので日常的に使うのには現実的でない。

田舎に生活拠点を移す前、どうしようと考えながらネットで広域地図を眺めていると、大阪から篠山まで伸びているJR宝塚線というのが目に入りました。

(これええんちゃうん)

ということでいろいろ調べると、まず車でJR宝塚線の西宮名塩駅(宝塚駅の2駅篠山より)まで車で走り、そこで電車に乗り換えて大阪駅まで行くというのが最短距離で労力も少ないという結論に至りました。

西宮名塩駅には立体駐車場があり、平日だけの契約なら1万1880円で借りられるとわかり即契約。駅までは車を利用し、下道だと時間がかかる&面倒くさいので一部区間を中国自動車道を利用して40分ちょい。西宮名塩駅から大阪駅までは快速に乗れば30分。乗り換えを含めて最短で1時間20分で大阪まで行ける方法を編み出しました。

車で大阪まで行ってしまうともう少し早いのですがさすがにそれはお金がかかります。現実的には「車→西宮名塩駅→JR乗換→大阪駅」という手段が最適だと判断しました。

車なので真夏や真冬でもストレスがないし、西宮名塩駅での乗換時には屋根があるので雨や雪も心配ない。電車は時間帯によっては座れて仕事ができるし、車でドライブ気分でストレス発散にもなる。乗車中に桂米朝さんをずっと聞いて落語が好きになりました。

飛行機で出張の際は伊丹空港まで車で1時間弱だし、九州方面に出張の際は姫路駅まで車で50分弱、そこから新幹線に乗れば楽。東京方面に出張の際は新神戸駅で駐車場代がタダになる方法を見つけてしまったので条件によっては利用しています。

加東市は田舎で公共交通機関は不便ですが、いろいろな方法を駆使すれば交通事情のマイナス面をかなりカバーできるとわかりました。そもそも毎日通勤するわけではなく取材は週2、3回以内にしているので良い気分転換という感じです。

***

問題はコストです。

帰省前は阪急武庫之荘駅から梅田駅まで片道220円。時間は片道30分。

帰省後は車のガソリン代、高速道路代、電車代すべて合わせて片道約2100円。時間は1時間30分。

帰省前後で、片道の料金にして1880円、時間にして1時間のコスト増がそれぞれ発生しています。往復だと料金3760円、時間は2時間のコスト増。

年収1000万円と仮定し、1ヶ月25日稼働で日給3万3000円、1日8時間労働で時給4150円。

すると、大阪に1回取材に行くと2時間余分に時間がかかるので時給4150×2=8300円のコスト増。これに交通費の往復増加分の3760円を足すと1万2060円。

つまり大阪に1回取材に行くと、帰省前と比べて金額的に1万2060円のコスト増が発生し、週平均して2回大阪始め全国に取材に行っているとすると、1ヵ月で取材8回(4週×2回)×1万2060円=9万6480円のコスト増、1年換算ではざっと120万円の増加です(駐車場代省く)。

想定がいろいろオーバー気味の面があるので実際はそこまで行かない気もしますが、まあだいたい加東市という田舎に住むことで交通面でのコスト負担は100万円程度と見積もっていいかなと思います。

***

ただし、田舎に住むことでもろもろの生活費が削減できているというメリットがあります。といっても正直帰省前とあまり変わってませんが(笑)、ちゃんと比較すれば田舎に住んでいる現在のほうが支出は抑えられているはずです。それを勘案すると交通費負担の100万円をもう少し抑えられるようになります。

仮に田舎にUターンすることで1年で70万円コスト増になったとしましょうか。

その70万円の負担をどう捉えるか。

これはもう個人の考え方によると思います。

ぼくが田舎に生活拠点を移すことになった大きな理由のひとつは子どものためなので、自然あふれる田舎で子どもをのびのびと育てられるメリットを思うと70万円なんて安すぎる金額です。

近所の人に新鮮な野菜をいただけるし、ほかにも田舎暮らしのメリットはたくさんあって恥ずかしいほどベタな言い方をすればプライスレスの価値があります。

70万円余計にかかるんだったら70万円余計に稼げばいいだけの話で、それほど難しい問題じゃないです。

まあそんな感じで田舎で楽しく生活しながら、仕事も充実しています。

You may also like

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です