フリーライターが選んだ仕事に便利な100均グッズ

 

ちょっとした小物を使うことで仕事の効率は意外と上がるもの。ここではフリーライターのぼくが実際に仕事で使っている100均の便利グッズを集めてみました。

① ダイソーのブックスタンド(本を開いたまま立てるスタンド)

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このダイソーのブックスタンドは100均グッズの中で最も重宝しています。

専門的な内容の文章を書く場合、参考書籍を見ながら執筆する機会も少なくありません。

これまでは本を手で押しつけて開きやすくしたり、重りを乗せたりして対処していました。でも分厚い本の場合は途中で閉じてしまい、イライラした経験は数知れず。

そんな面倒も100円で解決です。

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お金を出せばグッズの選択肢は広がりますが、これを使えば問題はほぼ解決です。

難点は、本を差し込む際に表紙がひっかかりやすいことかな。でも大きな問題ではありません。

※後日追記:アマゾンでこのダイソーと同じ商品(『折りたたみ式 ブックスタンド』)が580円で販売されているのを発見。みなさん、ダイソーだと100円ですよー。

 

② セリアのフィルム素材の5色の付箋

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まず素材がフィルムで透明性が高く、文字などが透けて見えるので便利です。

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さらにこの付箋のポイントは色展開です。

とくに書籍ライターにとって使いやすいはず。というのも書籍の章展開を5色に見立て、1章の参考箇所は青、2章の参考箇所はピンク、というように分類できるからです。

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書籍の原稿を書く際の付箋の使い方は自分なりのルールがあります。機会があれば紹介します。

この付箋の難点は、1枚ずつ取り出すのがちょっと面倒な点。ポストイットの「しるす」ジョーブシリーズはポップアップ式で便利です。

 

③ ダイソーの両面テープ付き面ファスナー(中)

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コンセント類の収納に必須のアイテム。

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写真のようにデスクの裏側にOAタップをこの面ファスナーで張りつけてコンセント類を目立たなくしています。

※後日追記:時間が経つとはがれてくることが判明。もう少し軽いものをつける場合はだいじょうぶかも?

※後日再追記:結局、ダイソーのこの面ファスナーではOAタップの荷重に耐えきれないことが判明。一見、強力そうなんだけど、時間が経つとはがれてしまう。そこで購入したのが、セリアで見つけた「ボンドの両面テープ」。

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これはかなり強力っぽい。ちょっと様子を見てみることにします。

後日追記:このボンドの両面テープはおそろしいほど強力で、OAタップをがっちり固定してびくともしません。というか、もう、はがせないかもしれない。。

後日再追記:ある日、仕事をしていたら、足元から猫が鳴いたような奇妙な音がしたので驚いて覗き込んでみると、なんとOAタップがだらりと垂れさがっていました。ボンドの両面テープでもけっきょくはがれました。。そもそもOAタップが重すぎるのか。横向きにつけているけど、縦向きならはがれにくいかも。もっと強力なテープを求めた旅は続きます(笑)

 

④ セリアのミニブックスタンド

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これが意外と便利。

引き出しの収納の区切りに使ったりしています(見にくいですが)。

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⑤ ダイソーのゲルインクボールペン

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これは改善を希望するアイテムでもあります。

このダイソーのゲルインクボールペンのリフィルは、パーカーやペリカンなどのボールペンと互換性があります。海外ブランドの純正リフィルは800円ほどしますが、これは100円でリフィルが2本。経済性は抜群です。

書き心地はギリギリ及第点ですが、問題が2つ。

1つはインクの渇きが悪い点。もう1つはインク(主に赤)の途中に空気の隙間があり、途中で書けなくなるという致命的な欠点。

この2点が改善されると使用に耐えるグッズになるかなと思います。

※2016年3月追記:最近ダイソーでこの商品を確認したところ、インクの空気溜まりは(購入して使用はしていませんが)解消されていた模様。

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「凡事徹底」を目につく場所に

イエローハット創業者の鍵山秀三郎氏の著書で『凡事徹底 (活学叢書)』(英知出版社)という本があります。

凡事――つまり当たり前のこと、単純なことを極めていくことが絶対差を生む道と説かれています。

鍵山氏は、半世紀にわたり毎日掃除をやり続けるという凡事の積み重ねがイエローハットをつくった、とおっしゃっています。

ぼくはこの本を本棚に入れて、「凡事徹底」というタイトルが常に目に入るようにしています。

凡事徹底。

この四字熟語を目にすると、曲がっていた背骨がすーっと伸びる気がします(笑)。ずぼらな人間は、そうやって気づきのきっかけを四方八方に張り巡らせておかないとダラけてしまうのです。

***

では凡事とは具体的に何か。

書籍『凡事徹底』では、福沢諭吉が大切にしていたとされる「鄙事多能(ひじたのう)」という言葉を例にあげ、

先生(福沢諭吉)は鄙事、つまり普通の人たちが雑事と片づける細々としたこと、例えば、朝起きたら布団をたたむとか雨戸を開けるとか、ちょっと家の前を掃くとか、そういった身辺の雑事に対していつも多能で、器用でなければならないと教えております。

としています。

*鄙事とは、簡単で誰にでも出来る些細な事。多能とは、器用にこなす能力。孔子の言葉とされる。

ようするに凡事とは日々の生活の雑事のことで、若干の飛躍をゆるしてもらえるのなら「ルーティン」と言い換えることもできるかもしれません。

雑事、ルーティンを当たり前のように継続できる人は、日々の生活だけでなく、仕事も充実させられる、というふうに理解しています。

***

凡事徹底の境地からは程遠い自分がふだん、かろうじて心がけていることが2つあります。

1つは、カラダの補強。

腕立て伏せとか腹筋とかスクワットとか、そういうやつです。

フリーになった30歳から現在(2016年2月現在で38歳)まで8年間、風呂に入る前に数種類の補強を続けてきました。とはいえ毎日ではなく、週3~4回ほど。

それでも「継続は力なり」で、この8年間で体型はほとんど変わりません。

もう1つはご先祖様への挨拶。

朝は仕事部屋で、夜は布団の上で手を合わせ、いつも決まった言葉を心の中でつぶやいています。

だから何だと言われても、その先は何もないのですが(笑)。

取り組む内容そのものよりも、ちょっとしたことをいかに継続するか、その心がけが思考を変え、行動を変え、結果を変えていくのかなと思っています。

関連記事はこちら
「流しそうめん」と「一事が万事」
「フラクタル理論」と「一事が万事」

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ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(3)

③ 自分の失態で誰かの信用に傷をつけるリスクを知った

フリーライターになってからの8年間で2回の遅刻。1つは、「ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(2)」で取り上げました。

もう1つは完全に自分のミス。ぼくが時間にこだわる原体験の2つ目でもあります。この話にふれるのは勇気がいりますが、自戒を込めて書き残しておきます。

***

その恐怖の電話は突然、やってきました。

「高橋さん、いまどこですか?」

ぼくは自宅のデスクで原稿に追われていた最中で、

「家で原稿を書いていますよ」

と答えました。

「えっ」

と電話先の相手の方。

「取材、今日ですよ……〇〇で待っています」

あまりにもの衝撃で、さまざまな思いが脳裏を駆け巡りました。

しかし力づくで我を取り戻し、すぐ取材の依頼メールと自分の手帳を見比べて、

「終わった」

と首を垂れました。

間違えていたのはもちろん自分で、待ち合わせの時間だったまさにそのとき、自宅のデスクにいたのです。

***

次の瞬間、ある方の顔が思い浮かびました。

ぼくとクライアントをつないでいただいている方です。ぼくが遅れた場合、その方に迷惑がかかるのは明白でした。

自分が全責任を被るのならまだしも、自らの失態でほかの誰かの信用に傷をつけることになる。

これほど辛いことはありません。

倒れそうになるのを踏ん張りながら、即座に取材の準備をして家を飛び出し、現地に直行。関係者の方々のあたたかいご協力のもと、何とか乗り切りました。

仕事を失う覚悟をしていましたが、その後も継続して発注いただいています。このご恩は一生をかけて返していこう、そう心に留め置いています。

***

何のとりえもないライターですが、唯一、自信を持っていたのは「時間を守る」ことでした。

ぼくの父方の祖父は「時計のように正確な人」と近所の人たちの評判だったそうです。毎朝、決まった時間に家を出て、同じ道を歩いて仕事に通っていたからです。

その祖父の血を受け継いだ父も同じような性格の人で、その祖父と父の血を受け継いだ自分も時間を大切にしていました。

ところが、自分の背筋を伸ばしていたその自信が、失態によって完全に折れてしまったのです。

もう二度と同じ失敗は繰り返さない。その宣言のために、あえてこの話を書きました。

***

なぜ取材の日にちを間違えたのか。自分なりに頭を整理して原因をまとめました。それをもとに自分なりの再発防止策を立てて実行しています。

もう一度、自信を育てられるように。

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ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(2)

② 時間の管理を他人に委ねる甘さを痛感

ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(1)」で取り上げた失敗談では、遅れて迷惑をかけた相手はコピーライターの上司だけではもちろんありません。

クライアントの方々や監査を担当する人、その日の打ち合わせ先であるクライアントの事務所の担当者の方々も同様です。

さらにいえば、当時、ぼくが勤めていた広告制作プロダクションの信用にも傷がつくし、会社の最終責任者=社長という意味で考えると、プロダクションの社長にも迷惑をかけたことになる。

駆け出しのコピーライターの不注意で招いた遅刻が、多方面で信用を落とす結果につながってしまうわけです。

「そこまで考えるのは大げさでは?」

そう捉える人もいるかもしれませんが、そこまで考えていなければ後ろ盾がないフリーランスとして生きていくのは難しいと考えています。

***

2016年2月現在、フリーライターになって8年目です。この8年間で待ち合わせに遅れた経験は、恥ずかしながら2回あります。

1回目は、フリーに転身した年。

当時、ぼくは腕時計を使っておらず、携帯電話で時間を確認していました。

その日、午後からの取材のため、デザイナーさんと喫茶店で昼食をとっていました。ぼくは携帯をかばんに入れていましたが、デザイナーさんが時間を確認していたので、

(店を出る時間もデザイナーさんに任せよう)

とごく自然に思いました。

食後のコーヒーを飲み終えたころ、

「高橋君、そろそろ行こか」

ということで現地に向かいました。

結果――。

待ち合わせ時間に10分ほど遅刻してしまったのです。

デザイナーさんはとくに悪びれる様子もなく、「すいませんねー」という感じ。

ぼくは待たせた方に対して心底申し訳なく思ったし、時間の管理を他人に委ねた自分の判断の甘さに気づいて反省しました。

後日、腕時計を購入したのは言うまでもありません。

***

そのデザイナーさんの姿を見て、自身の行いを見つめ直しました。

遅れてしまったのは致し方ないにしても、相手に対する誠意に欠けていたからです。

(この人は相手の時間を奪う意味を理解していないのだな)と。

そのデザイナーさんは人生の大先輩のような年齢の方です。

その後もお付き合いをさせていただいているなか、時間に限らずルーズな面が散見されました。

どういう人が信用を得て、どういう人が失うのか。

考えるきっかけを与えてもらったように思います。

次回の記事はこちら→『ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(3)

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ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(1)

① 遅れることで迷惑をかける人を理解できていなかった

社会人としていちばん大事にしている心構えは何ですか?

そう聞かれると、

「時間に遅れないこと」

と迷いなく答えます。

待ち合わせの時間に遅れないのはもちろん、できる限り、自分が先に現地に着くよう心がけています。

具体的には、15分前には待ち合わせ場所に居るようにしています。(さらに現地には1時間ほど早くつき、近くのカフェなどで資料を読み込むなどしています)

***

これまで時間にルーズな人を何人も見てきました。

そうした人に共通するのは、時間に限らず、あらゆる面でルーズだということ。

一事が万事。

時間に対する姿勢が、すべての局面に表れる、そんな気がしてなりません。

***

時間にこだわるようになった原体験が2つあります。いずれも強烈な失敗談です。

1つ目は、10年以上も前の話。

広告制作プロダクションに入社し、コピーライターになって2年目のころ。

案件の打ち合わせのため、コピーライターの上司と大阪のJR環状線「西九条駅」で待ち合わせをしていました。

十分に間に合うよう家を出ましたが、何を思ったのか環状線を反対方向に乗ってしまい、待ち合わせ時間に5分ほど遅刻してしまったのです。

じつはこの日、クライアントの方々、その案件を監査する立場の方も一緒に待ち合わせをしていました。

・クライアントの方々
・監査をする人
・コピーライターの上司
・駆け出しコピーライターの高橋

この4つの立場の人が駅で落ち合い、クライアントの事業所に向かう予定だったのです。

遅れて到着したぼくは、上司の姿を見た瞬間に状況を理解しました。後輩が遅刻しているという局面のなか、上司はクライアントとの間を必死に持たせてくれていたのです。

***

自分が遅れることで最も迷惑をかけるのは誰なのか。

ぼくは正しく理解できていませんでした。

上司はクライアントを前にして、どれほど辛い思いをされたことか。

そう思うと、時間に対して甘い認識を持っていた自身を痛罵しました。

同時に、異なる立場の人が集まる待ち合わせでは、自分が遅れると誰に迷惑を与えるのか、常に考えるようになりました。

以降、待ち合わせにはギリギリ間に合う時間ではなく、最低でも15分前、しかも理想は自分がいちばん早く現地に着くこと、このように自身に課すことに決めたのです。

いまでも西九条駅に降り立つと、当時の苦い経験が頭をよぎります。

次回の記事はこちら→『ライターのぼくが時間を大切にするようになった失敗談(2)

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(活動記④)田舎暮らしはバイオリズムが整う?

前回の記事はこちら→『【活動記③】兵庫県の市町村で2番目に住みやすい町

***

2014年2月に兵庫県加東市にUターンしました。

当時、仕事が立て込んでいて、さらに寒い時期に引っ越しをしたというタイミングも重なって、環境変化でカラダを壊してしまいました。

ですが気温が高くなるにつれて症状はゆっくりと回復。加東市に移住して2年経ったいま、もはや田舎暮らし以外は考えられない! といえるほどこっちの生活に愛着を感じてきました。

***

では田舎暮らしが具体的にどういいのか。

前提として、加東市はぼくが生まれ育ち、高校生まで過ごした場所だということ。だからなんというか、細胞レベルで落ち着く感じがあります。

幸い、妻の実家も田舎で都市近郊から離れて暮らす考えを受け入れてくれました。いまの田舎暮らしがあるのは、妻の理解があるからこそです。感謝しています。

高校を卒業した18歳で加東市を離れ、約20年後の37歳のときに戻ってきて、改めて田舎暮らしがいいなと思った点を挙げてみます。

・空気がきれい
・夏の夜は虫の音が美しい(精神的に落ち着く)
・野菜が安くみずみずしく元気で美味しい
・近所の人から野菜をもらえる
・自然の中で子どもを育てられる
・公園が多く子どもを遊ばせる場所が意外に充実している
・田舎の土壌で子どもの心の基礎を築いてあげられる
・渋滞が少ない
・お店の混雑が少ない
・ランニングする場所に困らない
・両親の近くに住んでいるので安心
・仕事部屋からの景色がきれい
・美味しいお店はほんとうに美味しい
・田舎と都市部の往復でバイオリズムが整う

***

このなか、最後に挙げた「田舎と都市部の往復でバイオリズムが整う」について軽くふれたいと思います。

原稿書きなどの仕事は田舎の自宅で行い、取材は大阪市内を始めとした都市部で行っています。取材に出るのは平均すると週に2、3回ほど。それ以外は基本的に自宅で仕事です。

こうして田舎と都市部を往復していると、生体リズムが整う気がします。都市部に出て刺激をもらい、田舎に帰り癒されるというか。

宇宙に存在するあらゆるもの、森羅万象は陰陽の二元論で成り立つというのが東洋の伝統的な世界観です。

難しいことはわかりませんが、田舎と都市部という対極を行き来するのは、感覚や感性、自律神経といった人間を人間たらしめている深いレベルの均衡が保たれ、陰陽のバランスがとれる気がするのです。

田舎には田舎の良さ、都会には都会の良さがある。

その両方を味わえる現在の生活がなかなか気に入っています。

次回の記事はこちら→『【活動記⑤】そもそもなぜ将来は田舎に帰ろうと思ったのか?

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【活動記③】兵庫県の市町村で2番目に住みやすい町

前回の記事はこちら→『【活動記②】Uターン先は、関西の人でもほとんど知らない片田舎

※2016.6.22速報! 「全都市住みよさランキング(2016年)」(東洋経済新報社)で地元・加東市が兵庫県の市町村で今年も芦屋市に次いで2位にランクイン!

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加東市や北播磨に移住した人の話が聞ける!「オンライン移住フェスタin北播磨」が開催されます!

(日程)
第1弾:2020年10月29日(木)
第2弾:2020年11月27日(金)

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田舎のことを書くと「住みにくそう」と思われるかもしれません。

いやいやそんなことはありませんよ。

じつは、住んでいるぼく自身もびっくりしているデータがあります。

東洋経済新報社が発表している「全都市住みよさランキング(2015年)

この結果を見ると、いまぼくが生活拠点を置いている加東市は、兵庫県の市町村の中で芦屋市に次いで2位にランクインしているんです!(全国では43位、近畿圏内では7位)

住みやすさランキング加東市

「住みよさランキング」の概要は次のとおり。

東洋経済が公的統計をもとに、現状の各市及び東京区部が持つ“都市力”を「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5つの観点に分類し、採用15 指標について、それぞれ平均値を50とする偏差値を算出、その単純平均を総合評価としてランキングしたもの。

※2016.6.22追記:ランキングの数字の見方を完全に勘違いして書いていました。5つの観点の数字は「順位」なんですね。点数と間違っていました。以降、正しいランキングの見方をベースに内容を書き換えています。

加東市は、兵庫県内でランキング1位の芦屋市、3位の宝塚市と比べて「利便度」と「富裕度」は低い一方、「快適度」と「安心度」で上回っています。なかでも「快適度」が突出しているのがわかります。

ようするに、「利便性」はそんなに高くないけどめっちゃ「快適」なまち、ということ?

各観点の算出指標は次のとおり。

住みやすさランキング指標

「快適度」は人口の増加や新築住宅着工数がランキングの指標になっているように、「転入してくる人が多い」→「住みたい町」→「住みやすい町」を示しているといえますね。つまり加東市は「住みたい町・住みやすい町」として全国12番目に位置している、というと多少大げさでしょうか。

以前住んでいた尼崎市(ランキング外)と現在の加東市の両者で比較してみても、(生まれ育った町という良さも多分に影響していますが)加東市のほうが交通の便をのぞく総合的な住みやすさは上回っていると感じます。

***

「住みよさランキング」の順位を見ていると、都市部よりも地方の町が多くランクインしているのが分かります。

その理由はおそらく、公共交通機関の充実度や交通の便といった「アクセス」が指標に含まれていないからだと推測します。(「利便度」はアクセスのことかと思うけれど小売の充実度なんですね)

アクセス面を考慮すると、都市部が軒並みランキング上位を占めてしまいそうです。

それを避けるために、あえて指標からは省いたのかもしれません。

逆にいうと、都市部に住まう最大のメリットはアクセスの良さであり、その利点を横に置けば、ぼく自身が実感しているように「総合的な住みやすさは地方に軍配が上がる」といえるかもしれません。

「住みよさランキング」から見えてきた自分なりの結論です。

次回の記事はこちら→『(活動記④)田舎暮らしはバイオリズムが整う?

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【活動記②】Uターン先は、関西の人でもほとんど知らない片田舎

前回の記事はこちら→『【活動記①】「高橋君、田舎でライターなんて無理やで」

***

フリーライター転身後、Uターンを検討していた兵庫県の片田舎。

それは兵庫県加東市です。

大阪市内からだいたい70キロ離れた町で、神戸の人に「加東市って知ってる?」と聞いても「?」という顔をされることも少なくありません。

「加東市って兵庫県のどのあたりですか?」

こんな質問に答えるのは、たとえ関西の人でもけっこう難しかったりします。

加古川の場所がわかる人には、「加古川から内陸部に20キロくらい上がったところ」という説明で何となく「へー」ということになります。

あるいは中国高速道路のインターの位置関係が漠然とわかる人には、「神戸三田をさらに岡山方面に進んだ滝野社インターのあたり」と伝えると、「ゴルフ場がたくさんあるところやね!」と急に声が弾んだりします。

こうした説明が通用するのはもちろん関西の人限定です。

住んでいる場所を出張先で質問されるともはや説明するのはほぼ不可能なので、「兵庫県から来ました」という漠然としたあいさつでその場をやり過ごしています。

***

こういうことを書くと田舎を気に入っていないように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。田舎愛についてはこのカテゴリでたっぷりと語っていきましょう。

ではここで何が言いたいのかといえば、Uターン先の加東市は関西の人でもほとんど知らない田舎だということ。

とくに電車(JR加古川線)が不便なんです。

最寄駅は単線で、本数は1時間に1本。しかも電車に乗っても、加古川駅を経由して神戸や大阪に出る必要があります。

単純に時間がかかるうえ、1本乗り過ごすと1時間待ち。だから仕事で使うのは現実的ではありません。

そういう環境にありながら、現在は加東市に移り住んで書籍ライターの仕事を継続しています。加東市にUターンしてからのほうが手がける書籍の数も増えました。

心配していた交通面も不都合はまったくなし。

むしろ尼崎に住んでいたときよりも移動に時間がかかる分、効率的に仕事をする意識が働いて業務効率も上がりました。

***

現在の主な活動エリアは大阪市内。フリーに転身した当時と変わりありません。

では片田舎に住みながらどうやってライターの仕事を続けているのか。

その工夫はのちに説明していきますが、キーワードは「車×電車をフル活用して最短距離を進め」です。

この方法で移動の負担が軽減し、夏は涼しく、冬は暖かく、取材先と自宅を快適に往復できるようになりました。

次回の記事はこちら→『【活動記③】兵庫県の市町村で2番目に住みやすい町

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【活動記①】「高橋君、田舎でライターなんて無理やで」

大阪市内を主な活動拠点にフリーライターとして独立し、2年ほど経ったある日のこと。

大阪の編プロの編集者さんに、胸に秘めていた人生プランを打ち明けました。

「近い将来、田舎に帰ってライターを続けようと決めているんです」

ぼくの言葉を聞いた編集者さんは、具体的な移住先も確認せず、間髪入れずにこう言い放ちました。

「高橋君、そら無理やで」

仕事関係者の中で移住計画を伝えたのは、その人が初めてだったと思います。なぜそうした話になったのかは覚えていませんが、見事に一刀両断されてしまいました。

でもぼくはそれであきらめるどころか、

(こんな時代遅れの人には今後、田舎暮らしの話はしないでおこう)

と開き直るとともに、自分のライフプランを実現させることに対して俄然、やる気が芽生えたのでした。

都市部の若い方の地方移住がいまほど話題になるより少し前、2010年頃の話です。

***

当時、ぼくは兵庫県尼崎市に住んでいました。

尼崎市は兵庫県ですが、電話番号の市外局番は大阪市と同じ「06」。

「尼崎は大阪市の一部」

そう誤解している人はいないでしょうが、尼崎市と大阪市は距離的に近いことはたしかです。

前述の編集者さんが籍を置く編プロは主にタウン誌を手がけていて、ぼくが依頼を受けていたのは大阪市内で1日に何件も取材するような仕事でした。

「大阪市内を走り回らないといけないのに、田舎に引っこんで仕事ができるわけがないやろ」

暗にそう諭していたのでしょう。

たしかにそのとおりですが、都市部に拠点を置かないとライターの仕事は成り立たない、そんな前提をもとにした断定が先に来るところに、「時代遅れ」という印象を持ってしまったのでした。

***

ぼくは20代半ばからアジアをバックパッカーで旅していたような人間で、出版の仕事を始めてからもアジア各地に出張したり取材したりする機会がありました。

タイやベトナムなんて飛行機に数時間乗れば着いてしまいます。いまや日本も海外もネット環境が整っているので、パソコンがあれば仕事の場所を選びません。

だから日本のどこに住むかという小さな枠ではなく、日本も含めたアジア全体でものを見る意識がありました。

そんなぼくにとって、日本の田舎に移り住むことくらい、たいした問題ではなかったのです。

にもかかわらず、田舎=ライターの仕事は無理、と短絡的に結びつけてしまう発想は理解できませんでした。

次回の記事はこちら→『【活動記②】Uターン先は、関西の人でもほとんど知らない片田舎

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書籍ライターに求められる能力は文章力ではない?

書籍の執筆を専門に行うゴーストライターには文章力は求められない――。

ライティングのスキルに関する書籍やブログを読んでいると、そうした意見を目にすることがあります。

いやいや、そんなことは断じてありません。

ライターという職業人は文章を書く専門家です。書籍ライターに限っていえば、著者が表現しきれない思いや経験、ノウハウを読者に届くよう文章にまとめる役割を担っていますから、文章力はいわば生命線なわけです。

その肝心の文章力がなければ書籍ライターは務まりません。

ネタや企画を提案できるライターのほうが重宝、ヒアリング力が不可欠、コミュニケーション力のほうが大事、事実をベースとした実のある原稿が書ければ文章力はさほど問わない……いろいろ意見はあると思いますが、やはり文章力が備わっているのが前提です。

※ライターに求められるコミュニケーション力(『書籍ライターで生きていくには「コミュニケーション力」が絶対必要(1)』)、ヒアリング力については別項目を立てて、自分が大切にしていることをお伝えしていきます。

***

ライターの文章が多少下手でも、編集者がうまくまとめてくれる。

そういう声もあります。

編集者のなかには、ライターの原稿をあざやかにブラッシュアップし、構成・文章ともに、ひとクラス上のレベルに引き上げてしまう方もいます。

力のある編集者と組むことでライターが育つという側面もありますし、ぼく自身も編集者の方々の助言によって成長することができてきました。

ただし、書籍ライターに文章力は必要ない、文章が下手でも編集者が直してくれる、そうした甘えを抱いた時点でライター失格だと思うのです。

ライターはその道のプロですから、自らの文章を彫琢する努力を怠ってはならない、そう意識しています。

***

書籍ライターに文章力は必要ない、その真意はたぶん、こういうことだと思います。

小説のような美しい日本語を書く必要はなく、著者の伝えたい内容が読者に伝わる実用的な文章になっていれば、その巧拙は必ずしも問われることはない。

したがって書籍ライターに求められる文章力とは、

著者の伝えたい内容を、読者が知りたい情報に昇華させる力
読者が知りたい情報を、読者に届くよう文章としてまとめる力

ということになるでしょうか。

***

いくら美しい文章を書いたとしても、読者に伝わらなければ意味がありません。その点で「文章力は必要ない」という意見は頷けます。

しかし、読者に伝わる文章を書こうと思うと、あるいは編集者の手を煩わせないようにしようと思うと、書籍ライターにとって文章力は備わっていて当たり前、それを高める努力をするのがプロとしての矜持、となるはずです。

自戒を込めたライターの独り言です。

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